眼科手術開業医の会とは?

本会は眼科の先進的医療を担う手術開業医のメンバーが集まり、情報交換と情報発信を行うための臨床医の会です。

21世紀に入って医療はめざましく発展いたしましたが、眼科医療の領域では「先進的な医療は大きな病院が担うべきもの」という概念は必ずしもあてはまりませんでした。大学病院などの基幹病院だけでなく、眼科手術を行う一部の開業医の中にも先進的な医療に取り組んで来たドクターがいました。そして、多くの眼科開業医がオピニオンリーダーとして学会などのフィールドに於いても多数活躍しています。
当会では、会員が当会主催の研究会やメーリングリストを通じた情報の交換を通じて、眼外科医としての技術に磨きをかけ、切磋琢磨しています。また、手術に携わる眼科開業医の立場から、患者様に向けた情報発信を行っております。

第8回「眼科手術開業医の会」主催 セミナー

第8回「眼科手術開業医の会」主催 セミナー

期日:2007年1月26日金曜日 午後5時より
会場:京都宝池プリンスホテル 

「小児における白内障・網膜硝子体手術 」  大阪大学眼科 日下俊次先生

-講演抄録-

小児における白内障、網膜硝子体手術では原因疾患、手術適応の考え方、手術方法、術後ケアなど成人例とは大きく異なる。例えば網膜剥離の発症原因として小児では未熟児網膜症、Persistent Fetal Vasculature (PFV;第一次硝子体過形成遺残)、朝顔症候群、家族性滲出性硝子体網膜症、Stickler症候群などの先天性あるいは遺伝性疾患や外傷性網膜剥離、アトピー性網膜剥離などの占める割合が高いといった特徴がある。これらの疾患に硝子体手術を行うには成人例とは違い、小児眼の解剖学的特長や病態を良く理解した上で特別な配慮をもって行う必要がある。
また、白内障においても手術を成人と同様に考えることはできない。そもそも調節力の喪失を生じる白内障手術をどの時点で行うかに関しては慎重な判断が要求される。手術方法についても経毛様体扁平部水晶体摘出術が良いか、経輪部法が良いか、眼内レンズ挿入を行うかどうか、眼内レンズ挿入の適応年齢は、狙い度数の設定は、術後の後嚢混濁として後嚢切除を行うか、前部硝子体切除を行うかどうかなど未だ一定の見解が得られていない問題も多い。
今回の講演ではこれまで演者が経験した症例のデータやオペビデオをご紹介し、文献的考察を交えてこれらの点に関して講演を行いたい。また、最近話題の未熟児網膜症に対する早期手術についてもお話する予定である。
 

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